皆様こんにちは。
今週は少々投資と離れた話もございますが、いくつか興味深いニュースがございました。
今回はいくつかの記事を短くまとめてご紹介したいと思います。
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【 ジョホール州、来年から休日を金・土曜に変更 】
ジョホール州のイブラヒム・イスカンダル州王(スルタン)は来年1月から、ジョホール州では休日を金・土に変更することを発表しました。マレーシアの国教であるイスラムでは、金曜日が祝日であり、この日を礼拝日などの宗教的な活動に充てるべき、との考えのようです。
マレーシアでは、州の休日を州が独自に決めることが出来ます。実際、現在でもクダ州・クランタン州・トレンガヌ州(3州ともマレー半島北部の州)では金・土が休みで、またジョホール州も1994年以前は金・土が休みだったということです。
民間企業については現行の土・日休みのままでも、新しい金・土休みに変更しても良く、変更となるのは政府機関・金融機関・公立学校が対象となるということでした。
実際にマレーシア最大の銀行であるメイバンク(Maybank)でも、前述の金・土休み3州のうちクランタン州・トレンガヌ州の支店では金・土休みとなっています。
日系企業などでは、日本とのやり取りを考えて土・日休みを維持すると、税関との休日がずれてしまう為、貿易関係に大きな支障が出る。しかしながら金・土休みに変更すれば、最大で金~日の3日間が日本とやり取りができなくなる、といった問題について頭を悩ませているようです。また、土・日休みを維持した場合、金曜日の出勤に対して休日出勤手当てが必要になるのか、など問題が山積しているようです。
ジョホール州はイスカンダル計画(マレーシア・シンガポール両政府によるジョホールバルの開発計画)により、外資を呼び込んでいますので、こういった複雑さが競争力の低下につながるのでは、という懸念も出ています。反対に、レジャー業界には概ね好評の様です。
【 第3四半期(7月~9月)の投資誘致額は15%増 】
ムスタパ・モハメド通産相は、第3四半期の民間投資誘致額について前年同期比15.2%増と発表しました。併せて、外国直接投資の純流入額については、1~9月の前年同期比で9.5%増(276億リンギ≒8,280億円)だったということです。
【 マレーシア公定歩合引き上げ予想 】
RAMホールディングスのチーフエコノミスト、イヤ氏は、公定歩合(マレーシアではOPR=翌日物政策金利、と言います)を来年第2四半期に引上げる可能性があることを指摘したということです。イヤ氏の指摘では0.25ポイント引き上げで3.25%と予想していました。市場でも引き上げの予想をする見方が強まっていますが、時期については意見が分かれているとのことです。
【 人的資源競争力の世界ランク発表 】
フランス系の経営大学院インシアード(INSEAD)が発表した人的資源の競争力の世界ランクで、マレーシアは対象103ヶ国・地域中37位、東南アジア地域では2位(1位はシンガポール)にランクされたということです。なお、参考までに日本は21位、総合1位はスイスだったということです。
【 今年のマレーシアの昇給率 】
マレーシア経営者連名(MEF)の調査発表によると、今年の平均昇給率は一般職で6.70%(こちらは過去10年で最高)、管理職は6.31%だったということです。またボーナスについてはそれぞれ2.05ヶ月分、2.26か月分だったそうです。
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金・土休みになると、不動産業界はどうなるでしょうか。
記事には予測は出ておりませんでした。日曜日に営業している金融機関が増えることで便利になる部分がある反面、金曜日には金融機関が営業していないという不便さが同時に発生します。これはどういった影響を及ぼすか、ということについては実際に施行されてみないとわからない、というのがこちらにいる私達の本音です。しかしながら、多少の混乱は発生するものと考えております。
その他の記事については概ねプラスとして受け止められるものが多いと思います。特に、投資誘致額が増えていること、及び昇給率の高さについては不動産市場が活性化する要因となり、また人的資源競争力の高さについては、現在のマレーシアの潜在能力の高さを示しているものと考えます。
OPR引き上げについては、多くの人が予想しているものの、まだ決定段階ではございません。こちらはこちらで気になるニュースではありますので、新しい情報が入り次第またお知らせしたいと思います。